【感想/小説】『私の嫌いな探偵』コミカルで爽快なドタバタミステリーで面白かったです!

この『私の嫌いな探偵』は、「謎解きはディナーのあとで」「放課後はミステリーとともに」で有名な東川篤哉さんの作品なんですよ!

なんとなくタイトルと作者名で手に取った作品だったんですが、結構内容も面白くて、ぐいぐい引き込まれていましたね!

簡単なあらすじ

死に至る全力疾走の謎

烏賊川(いかがわ)市でビルのオーナーをしている二宮朱美は、突然の揺れと猫が踏まれたときの鳴き声のような叫び声を聞き、窓から駐車場を覗き見た。

と同時に、そのビルの一室を間借りしている「鵜飼杜夫探偵事務所」の探偵・鵜飼も、朱美の一つ下の階から駐車場を見ていた。

二人が見たのは、大の字になり仰向けになっている人の姿だった。

自殺ならば、仰向けではなく、俯きになっているはず。彼らが見た大の字の人間は、なぜ駐車場に仰向けになっていたのか?そして、なぜビルは揺れたのか…?

探偵が撮ってしまった画

ある雪の降る日、一人の大学教授の死体が発見された。

日は遡り、二宮がオーナーを務めるビルの四階にある探偵事務所には、水沢優子という女性が、旦那の浮気調査に訪れていた。「女の勘」という非科学的なことを根拠にしていた水沢の押しに負け、渋々調査を引き受けた探偵の鵜飼。

そして、調査から数日。水沢の旦那が死体となって発見された。その容疑をかけられた水沢優子は警察に同行を求められる…。

大学教授の死と水沢優子の旦那の死には、接点はあるのか?そして、あるならどんな接点なのだろうか?

探偵・鵜飼は、渋々引き受けた浮気調査を見事暴き、また、依頼人の容疑を晴らすことができるのか…?

烏賊神家の一族の殺人

烏賊川市にある漁師ちの信仰のよりどころ「烏賊神神社」でアルバイトをしている滝沢美穂は、拝殿の裏にある「鎮守の杜」の小さな祠(ほこら)の周辺の掃除をしていた。

普段は、閉じられているはずの、祠の開き戸の合わせ目がずれていることに違和感を感じる滝沢美穂。「泥棒か?」という疑いを持ちながら、開き戸を開け放った美穂は、そこで倒れている若い女性を発見する。

時を同じくして、別の要件で神社に訪れていた、冴えない探偵の鵜飼杜夫と、その鵜飼の事務所があるビルのオーナーである二宮美穂は、美穂の悲鳴を聞き、すぐに祠に向かうことに。だが、そこには誰も倒れてはいなかった…。

なぜ倒れていた女性は消えたのか?

その真相の鍵になるのは、「逆さまの祠」と「烏賊さまの祠」に彫られた上下逆の烏賊の絵。鵜飼と二宮は、今回も無事?に事件を解決することができるのか…?

死者は溜め息を漏らさない

盆蔵山にある小さな村・猪鹿村の暗い夜、中本俊樹は、学校からの帰宅中だった。その道中、彼の目の前に転がり落ちてきたのは、大人の男性。そして、その男性の口元からは、怪しげな輝きが煙りのように吐き出されていた…。

そして、その事件を解決して欲しいと村に呼ばれたのが、いつものごとく冴えない探偵・鵜飼とビルのオーナーである二宮だった。

二人がその村で見た光景は、自然豊かで透明度の高い綺麗な川、中年男性が箒を逆さまにして踊っている姿、そして、雑草の茂みに隠れていた中本少年だった…。この異様とも言える光景と、今回の事件にはどんな関係があるのか…?

なぜ、男性は崖から落ちて死ぬことになったのか?そして、中本少年が見た怪しげな輝きとは一体なんだったのか…?

犯罪なんて起こりそうもないこの小さな村で起こった今回の事件を、鵜飼は解決することができるのか…?

二〇四号室は燃えているか?

珍しく鵜飼杜夫探偵事務所にお客様が…。

相談内容は、「最近付き合いはじめた彼氏が浮気をしているかどうかを確かめて欲しい」とのこと。

ありふれた浮気調査に、断ろうとする鵜飼だったが、家賃を払ってもらえないことにいらだちを隠せない二宮は、その依頼を鵜飼に引き受けさせたのだった。かくして、鵜飼とその助手・流平は、浮気の調査をはじめることになったのであった…。

調査対象・辰巳千昭を監視するために、辰巳が住むアパートの向かいにあるアパートに鵜飼と流平、そして二宮は潜入していた。そこで見たのは、辰巳と背の高い女性の二人。そして、辰巳の部屋から立ち上がる火の気と、辰巳の死体。

なぜ、辰巳の部屋で火事が起こったのか?そして、なぜ辰巳は死に、一緒にいたはずの女性はどこにいったのか?謎が謎を呼ぶ今回の事件、鵜飼、そして流平は解決することができるのか…?

感想

今回読んだのは、本屋大賞を受賞した「謎解きはディナーのあとで」や実写化もされた「放課後はミステリーとともに」などで知られる東川篤哉さんの作品でした。

まぁタイトルに魅かれた感もなくはないんですが、コミカルなミステリーが読みたかったので、手に取った感じですね。

あらすじの通り、事件が5つある短編ミステリーでしたが、中身は結構しっかりと書かれていて、起承転結が非常にわかりやすいミステリーでした。なんとなく途中から事件の概要とか、トリックはわかるんですが、それでも最後まで読みたくなるのは、言葉のうまさだったり、話の展開の上手さなんだと思います。

一昔前のミステリーに比べると、たしかに内容の深さや、ピリピリした緊迫感という感じは薄い作品なのかもしれませんし、実際そうだと思います。ですが、西尾維新やこの東川篤哉さんは、言い回しの上手さだったり、ユーモアさ、違った意味でも緊張感があって、それはそれで面白いんですよね。

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重苦しいミステリーも面白いですが、たまには、こういったコミカル、ドタバタ、ユーモア満載のミステリーも良いもんですね。

あとがき

『私の嫌いな探偵』は、僕が東川篤哉さんに触れた最初の作品でした。いくつも読んでいる作者ではなく、新しい作者と出会えることは、やっぱり楽しいですし、面白いですよね。

一人一人個性があって、言葉使も、言い回しも、ユーモアを感じる部分も、話の展開も、人の名前の付け方もホントにいろいろあって、面白いです。

一人の作者に陶酔することもそれはそれで面白いですが、こうやって様々な作者に出会えることもそれはそれで面白いですよね!