「はじめての哲学」を読みました。最近哲学の本を読むことが多くて、というよりも、目につく本が哲学系の本だったり、興味が魅かれるのが哲学系の本なので、今回も同じような理由で読もうと思いました。
“はじめて”の哲学というタイトルだけあって、かなり読みやすかったです。著者が以前小、中、高で教鞭をとっていただけあり、文章は平淡で読みやすかったですね。
こんなこと書いてます
本の内容
著書に登場する人物は以下の通りです。
- タレス(哲学の祖)
- ソクラテス(無知の知)
- プラトン(イデア論)
- アリストテレス(万学の祖)
- ベーコン(帰納法の哲学)
- デカルト(方法序説)
- カント(純粋理性批判)
- ヘーゲル(弁証法の哲学)
- ショーペンハウエル(意思の哲学)
- ニーチェ(超人哲学)
- ダーウィン(種の起源)
- マルクス(史的唯物論)
- デューイ(プラグマティズム)
- サルトル(実存主義)
中学校や高校、人によっては大学で聞いたことのある人たちについて、伝記のような形式をとって一人一人の歴史から、なぜ思考に至ったのか?なぜそういった行動を取ったかのなどについてわかりやすく説明されています。
感想
とりあえず読みやすかったという印象です。また、伝記の形式で書かれていたので、その人のバックグラウンドからその人の思考を説明していたので、かなり理解がしやすかったですね。
哲学系の本だと聞くと、身構えてしまうかもしれませんが、この著書はそんなことはありません。理由として考えられるのは、著者が先生だということです。もちろん先生だから、みんながみんな説明が上手いわけではありません。ですが、この著者の説明は、知識を前提にせず、誰にでも理解してもらえるようにかなり噛み砕かれていていました。
そして、多くの哲学書が哲学者本人の歴史やバックグラウンドを書かずに、思考や行動、哲学者の著書の内容に行きがちなのに、この著書ではまずその哲学者の歴史や経歴から説明していることが良かったんですよね。
誰かと仲良くなるときもそうかもしれないですが、その人のバックグラウンドを知れるとその人のことを深く知れたつもりになれますよね?「あ、この人ってこんな人なんだ」「こんな経験してきた人なんだ」「なんか仲良くなれそう!」って。なりますよね?
あの感覚と同じだと思うんですよね。まず、その哲学者の経歴を出すことで、その哲学者を身近に感じられるというのは、難解な哲学系の本だからこそ必要なんですよね。そこでグッと引き込まれるから、あとの説明のわかりやすさも効いてくるんだと思いますね。
歴史に名前を残すような偉人は、さぞかし才能に恵まれて、環境にも恵まれているんだろうなーと思っていたんですが、意外にもそうでもなくて、苦痛を強いられる人、普通の家庭に生まれる人、家族からの反対を受ける人など、いろんな人がいて面白かったです。
こんな人にオススメ
- はじめて哲学を勉強する
- 面白い本を読みたい
- 歴史を学びたい
- 受験で世界史の勉強をしている
- 夏休みに何か本を読みたい
という感じですね。
小学生から、高校生、大学生くらいまでの人の読んで欲しいという感じです。
何度も書くんですが、この本めちゃくちゃ読みやすいんですよ。これまで何冊か哲学者とまとめた本を読んだんですが、この本が一番読みやすくて、理解しやすくて、面白かったです。
哲学ってたしかに難解ですし、「何言ってんの?」「何したいの?」みたいなことも多いんですが、そこから学べることも多いですし、自分で考えるきっかけにもなるのは良いことだと思うんですよね。
答えが出る受験や試験と違って、答えがない哲学的な問題を考えることは生きていく上で大切だと思います。答えはでなくてもいいんですよ。自分なりに考えて、考えて、考え抜いて、何かした掴めればそれで良いと思うんです。
そういう体験は大人になる前にするべきだと思うので、できれば大学を卒業するまでぜひこの本を読んで欲しいです。
あとがき
この「はじめての哲学」には、もっと早い時期に出会いたかったくらいですね。(まぁ出版が2016年なのでそれは叶わなかったんですが…w)
でも、それくらい良かったですよ。ホントに。
これだけわかりやすくて、これだけ面白く読めた哲学の本は珍しいです。ぜひ、小学生や中学生、高校生には夏休みと言う期間を使って読んでみて欲しいです。