【感想/雑談】一年を通して読みたい『春夏秋冬 雑談の達人』

日本には4つの季節がある。

当たり前のようなことではあるが、当たり前が過ぎて当たり前ではなくなってきているのもまた事実。景色や気温などで季節は感じるものの、野菜や果物、魚などの食べ物で季節を感じなくなっているのもまた事実としてあります。一年中どんな食品でも取り揃えるスーパーの現状を見れば一目瞭然。

季節のイベントももはやお酒を飲むための口実になり、どんどん季節の色合いや趣(おもむき)を失いつつありますよね。

僕たち日本人は今一度季節があることを再認識すること、季節が移り変わる様の面白さや奥ゆかしさを感じなければいけないのではないのかと思わせる作品が『春夏秋冬 雑談の達人』でした。読みやすくもあり、でも内容もちゃんとしていて実に濃い作品だったと思います。

本に内容をさっくりと

ちょっと僕ではまとめづらい内容なので、Amazonから引用させていただきます。

作家、又吉直樹の「俳句の師匠」堀本裕樹 最新刊!
季語を制す者が雑談を制す!
謎の先輩、猫、グズな男子と元気女子が織り成す季節感いっぱいの青春ストーリー。
読み終わったときに、あなたの言葉のセンスも一変しているでしょう。

雑談の話題として最もふさわしいとされるのが「当たり障りのない」話。
たとえば天気。季節。年中行事などがこれにあたります。
目に映る木や花、空模様、人々の装いなどをとりあげつつ、
季節感あふれる会話が自然にできたら素敵だと思いませんか。
そのための「最強の言葉のデータベース」が日本にはあります。
季節の言葉、「季語」を集めた辞典、歳時記です。
風流な「俳句先輩」が、野暮な「男子君」に、日々の会話のなかで
季語の世界の豊かさを教えていく物語。
春夏秋冬、さまざまなシチュエーションに使えるネタ帖です。

(引用 Amazon『春夏秋冬 雑談の達人』)

雑談と一口にいっても様々ですが、この本に出てくる雑談のネタは「季節ネタ」。中でも今の時代ではあまり季節感を感じることができなくなった食べ物の話や風景・自然の感じ方を中心に俳句先輩と男子君のコミカルなストーリー仕立てになっています。

感想

季節を言葉で感じることの面白さを学べるとともに、こんなにも季語、季節を感じる言葉ってあるんだ!ってことを教えてくれる作品でした。

言葉には意味がある。ということは誰でも知っているはずなのに、言葉が季節を表すことを知っている人、季節を言葉で表す人はあまりいません。(いないというよりも減っているという表現の方が適切かもしれませんが)もちろん僕も季節を言葉で表現することなんてできませんし、こんなにも季語があるなんて思いませんでした。知識不足というよりも、季節を感じようとしなかったからこその現状なんだろうと思いました。

たしかに季節を表す言葉なんて知らなくても生きていけますし、損をすることもなければ、誰かにバカにされることも今の世の中ではないと思います。でも、季語を知ることで季節をより楽しめることは事実で、日本の歴史や時代背景を知ることができるのも言葉の力なのかなーと思ったりもします。

そして、この本を読んでよかったなーと思うのは、日本にもまだまだ日本語を大切にしている人がいるということでした。最近文学や漫画、アニメを観ていて思うのは、日本語の陳腐化と語彙力の低下。これは自分にも当てはまりますが、母国語のくせに知らないことが、知らない人が多すぎるのってやっぱり悲しいです。いくらグローバル社会といえど、母国語はもっと大切にしたいですし、日本語の素晴らしさは残していくべきだと思っています。その社会の中でこうやって日本語を大切にしていること、そうしている人がいるということに出会えたことは本当に良かったと思っています。

これからは僕自身も日本語を大切に、季節を言葉で楽しめるようにしたいなーと思うようになりました。

教養はなんだかんで身につけるべきかと思う

この本は季語を学ぶための本でもありますが、教養のための本なのかな?とも思います。

現在本屋さんに足を運んでみて置いてある本を見たり、Amazonなどのネット書店のランキングを見るとその多くがビジネス書だったり、自己啓発本だと思います。もちろんこれがダメなわけではありませんし、見方によってはやっと日本にも個人ビジネスだったり、個人の能力を引き出そうとする人が増えたんだ!とも考えられます。

でも、それって教養ありきなものなんじゃないかとも思うわけです。

つまり、中身がない人がいくら上辺のビジネス能力を鍛えようが、いくら自分の能力を引き出そうが、あまり意味がないということです。会話をしていてもそれはよくわかりますし、文章を読んでいると余計にその人の教養力がわかります。

逆に教養がある人は、そこそこのビジネス力でも凄く見えたりもします。話に深みがあったり、様々な角度で物事を見ることができるのは、ロジックやフレームワークではなくて、実は教養なんだと教養を持つ人を見るとよくわかります。

この本を通して、というよりも俳句先輩を見ているとそのあたりのことがよくわかります。ぜひ、多くの人にこの本を手に取ってもらい教養を身につけていただければと思います。僕もまだまだなので、日々精進します。

あとがき

現代人って、特に若い人ってやっぱり薄っぺらいよなってことを改めて教えられた本でした。僕なんてその最たる例で、知識なんてミジンコレベルですし、歴史なんていわれると頭がクラクラするくらいのレベルの知識です。これまで知識なんて別に身につけなくてもいいかなって逃げてたんですが、社会に出るにあたりやっぱり必要だよなって思わされました。

社会にでる、会社で働くって考えると知識なんて偏っていてもいいし、むしろ偏ってる方が専門的っぽくていい気もしますが、実はそう思っている人にこそ教養とか知識って必要なんだろうと思います。

体験でしか物を語れない人間ではなくて、知識から、先人たちの経験からも何かを語れる人間になりたい。そう思う、思わせてくれた本でした。久々に教養系の本で良い本に巡りありました。

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