【感想/小説】『カッコウの卵は誰のもの』先は読めるが、やられた感も結構ある

どうも、なかむら(@ynakamura1201)です。

東野圭吾さんの『カッコウの卵は誰のもの』を読みました。

2016年にドラマ化されたんですが、その前からタイトル的に気になっていた作品でした。「なんでカッコウ?」みたいな感じで少々気になっていたんです。

小説はグダグダと読みたい派なので数日で読み切ることはまずないんですが、この作品は先が気になってどんどん読んじゃいましたね(笑)忘れない内に感想を書いておきます。

『カッコウの卵は誰のもの』あらすじ

あらすじはこんな感じ、

往年のトップスキーヤー緋田宏昌は、妻の死を機に驚くべきことを知る。一人娘の風美は彼の実の娘ではなかったのだ。苦悩しつつも愛情を注いだ娘は、彼をも凌ぐスキーヤーに成長した。そんな二人の前に才能と遺伝子の関係を研究する科学者が現れる。彼への協力を拒みつつ、娘の出生の秘密を探ろうとする緋田。そんな中、風美の大会出場を妨害する脅迫者が現れる―。

(引用 Amazon『カッコウの卵は誰のもの (光文社文庫)』)

です。

感想(ネタバレはしないようにします)

まぁかなり面白かったですね。

序盤でいろんなことが明らかになるので、「カッコウってこの人のことでしょ」「まぁこうなるだろうな」って感じで先はある程度わかるんですよ。中盤ではあまり進展はしないんですが、終盤にかけて怒涛の追い上げで真実を明らかにしていく感じは東野圭吾さんっぽい作風な感じがしましたね。どんでん返しとまではいかないですが、終わりに近づくにしたがいやられた感もかなり味わいましたね(笑)

『カッコウの卵は誰のもの』の肝って、最後の最後までカッコウを明かさないところにあると思うんですよ。もちろん、カッコウってこの人じゃない?的な部分は匂わせてはいるんですよ。カッコウってことの意味も含めて。それは主人公である緋田宏昌も感じていることなんです。

でも、最後の最後まで上手くカッコウの正体を隠しつつ話を進める上手さはすごいなーと。この辺がやられた感ですよね。まぁ薄々序盤に思いつく「カッコウ」は、カッコウじゃないってことはわかるんですが、それが確信に変わる瞬間に出会えないんですよ。この辺も上手いよなーとしみじみ。

あとはあれですね、真実を共有するもの、同じ秘密を共有するものっていうのは、どれだけ遠ざかりたい存在であろうと、近づかざるを得ないし、仲を深めていくんだなという点も面白かったですね。

緋田宏昌にとっては、娘と自分の関係については、他の人に知られたくないわけですよ。もちろん、心のどこかで誰かに早く打ち明けたいみたいな部分はあるのかもしれません。それでも、できることなら自分自身の手で事実を明らかにしたいんです。でも、緋田宏昌だけが自分たちの関係を知っているわけじゃないってことを知り、自分が知らない情報を明らかにされることで、徐々に諦めるんですよね。「自分だけが」って気持ちを崩されたときに、ストーリーは一気に前進するんですよね。人間の心の壁が崩れるとともに、そこにせき止められていた何かが一気に流れ出した感じは、読む速度を上げざるを得ませんでした(笑)

そして、真実を明らかにすることの意義ですよね。緋田宏昌と娘の関係について、緋田宏昌や柚木は知ることになるんですが、ある人物だけその真実を知ることはありません。最後は、その真実を教えるべきなのか?どうか?みたいなところに着地するんですが、そのことを最後までどうしようか足踏みする感じも、もどかしさを感じながらも、どこか共感もあって面白かった。事実を知れば、その人が精神的にもろくなる、弱ってしまうことは明らか。だけど、明かさないわけにはいかない。緋田宏昌にとってこれほどの葛藤はないだろうと思います。でも、そこがまた読み手にとっては面白いんですよね。

「何が善で、何が悪か」それは当事者にしかわからないし、当事者にもわからないのかもしれない。ってことを感じました。様々な事実が明らかになる一方で、事実を知らない人もたくさんいる。その事実を知ることや知りたくなる気持ちがわかる一方で、知らないことの幸せもあるんじゃないかと思う気持ちもありました。

実に面白い作品でした。

あとがき

『カッコウの卵は誰のもの』の感想を書いてきました。

正直、東野圭吾作品はあまり読まないんですよ(笑)なんかありきたりというか、大衆向け感たっぷりなので個人的に面白く感じないというか。

でも、今作品を読んで「東野圭吾も悪くないな」と感じましたね(なんで上から目線なのか…)これからは食わず嫌いにならずに、東野圭吾さんの作品も読もうと思います。

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