【感想/カルテット】小説実写化・映画『カルテット!』に学ぶ家族の絆とその大切さ

音楽をテーマにした映画と聞くと、合唱部やオーケストラ、ロックバンド、ヴァイオリン、指揮者というイメージで、学校や大学を舞台にしたり、中退した人たち、社会人や定年した人などを起用するケースが多いですが、今作品「カルテット!」では、家族をテーマにしているんですよね。

崩壊とまではいかないまでも、ヒビが入った家族を繋ぎ止め、そして再び結びつけるのが「音楽」。それもピアノ、ヴァイオリン、フルート、チェロのカルテット!他の作品では観ることができない新しい家族愛がこの作品にはありました。

こんなこと書いてます

簡単なあらすじ

将来を期待されている有望なヴァイオリニスト永江開(ながえかい)の一家は、崩壊しかけていた。父・直樹はリストラされ、母・ひろみはそんな父にうんざり、そして、姉・美咲は、弟に嫉妬し少し荒れた高校生活を送っていた。

開は、そんな崩壊しかけていた家族をなんとか救おうと、家族でカルテットをやろうと持ちかける。それは家族を救うとともに、自分の音を求めてのことだった。最初は、拒んでいた家族だったが、とあるレストランでの父・直樹と開のデュエットをきっかけに、家族が繋がり始めるのであった…。

そして、徐々に有名になってきた永江家の“家族カルテット”は、クリスマス・イヴにコンサートをすることになるのだが…。

感想

暑苦しくないんですが、でも心が動かされる、心温まる作品でした。

こういう映画って、親や大人がぐいぐい引っ張っていく感じが多いように感じているんですが、今作品では息子・開くんが、引っ張るんですよね。家族の中で一番若くて、誰よりも家族の絆を心配していて、もっと楽しい家族にしたいという想いがひしひしと伝わってきました。

家族を引き止めようとする開くんではあるんですが、一方で自分にしか出せない「音」も探していて、その音がどこにあるのか?を模索する姿もまた青春って感じがしました。有名指揮者の元に行けば見つけることができるのか?でも、家族との演奏もやりたい!という葛藤は、まさに青春の一ページ。実際に、どっちにあるかなんてわからないんですよね。でも、どっちにもあるんだと思うんですよ。

有名指揮者の方で演奏しても、家族との演奏でも、おそらく開くんは自分の音を見つけ出せたと思います。あとは、本人の満足感、納得感だけなんですよね。後悔といってもいいのかもしれませんが、「あっちにしておえばよかった…」と考えない選択が、結局あとあと大きなひずみになるんですよ。なので、後悔の少ない方、満足や納得が大きい選択肢の方が、あとあとの財産にはなるんです。それを知って知らずか、開くんは家族とのカルテットを選ぶんですよね。作中の開くんなら、まぁそっちを選ぶよねって感じです。

最初は、開くんが家族のカルテットを選ぶことを家族は反対していたんですよ。でも、最後の最後にその背中を押したのは先生で、開くんの意見を尊重したのは姉なんですよね。一人の少年が何か選択するときには、絶対に一人では不可能なんです。だからこそ、誰かの支えが必要だし、誰かの後押しが必要なんですよね。そんな当然のようなことを教えてもらった作品でもありました。

そして、家族みんなで何かを成し遂げることは、家族の絆を強くするし、家族の人生をより豊かに、そして幸せなものに変えるんですよね。今の世の中には、東日本大震災以降「絆」がよく使われますが、本当の意味での絆は、そう簡単には作られません。

だからこそ、日々家族でどう取り組むのか?何をするのか?どこに向かうのか?何を考えているのか?をしっかりと話し合っておかなければならないのかもしれません。

あとがき

何事にも正解を求めようとする人がいますが、おそらく正解はありません。この映画の家族にしてもそうですが、家族にとっての正解は家族にしかないんですよね。どこかの家族が成功したから、我が家でもという感じでは、きっと上手くはいきません。

それは、型にはめようとすることが正解ではないということでもあり、正解の数は家族の数だけ、人の数だけ存在することの証明なんじゃないかと思うわけです。この作品を観て、「よし!我が家もカルテットやるぞ!」では、ダメではないですが、たぶんダメなんですよね(笑)そうではなくて、「我が家なら何ができるかな?」ってなる方がいいと思うんですよ。それは音楽でなくても、交換日記でも、勉強でも、料理でも、踊りでも、スポーツでも、旅行でもいいかもしれません。

なんでもいいけど、「我が家ならみんなで何ができるかな?」ってところから思考がはじまれば、その家族はきっと絆が強くなりますし、きっと幸せな家族になれると思いますよね。もちろん、バラバラなことをしていても、幸せな家族はいますけどね(笑)

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