【感想/教育論】これからの教育論の一つの答えがここにある!『世界はひとつの教室 「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション』

教育問題はいつの時代も話し合われる題材の一つですよね。でも、どの議論も的を得ることがなく、またどんな教育制度を取り入れても上手くいったケースが少ないことも事実。

では、一体どんな教育が子どもたちにとって、将来の世界を担っていく存在にとって必要なのでしょうか?

その答えの一つがこの『世界はひとつの教室 「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション』につまっています。ぜひ、これから教育業界を担っていく人には読んで欲しい一冊です!

本の内容を簡単におさらい

目次はこんな感じです。

はじめに 質の高い教育を、無料で、世界中のすべての人に
第1部 「教える」ということ
第2部 壊れたモデル
第3部 現実の世界へ
第4部 世界はひとつの教室
むすび 創造のための時間をつくる

(引用 『世界はひとつの教室 「学び×テクノロジー」が起こすイノベーション』)
※実際の目次の数字はローマ数字です。文字化けする恐れがあったのでアラビア数字にしています。

著者でありカーンアカデミーの創設者であるサルマン・カーン氏は、従来の教育方法である講義形式ではなく、テクノロジーを駆使し、みんなが同じことを学ぶのではなく、一人ひとりにあった勉強の速度で学ぶことを提唱しています。

これまでは、生徒はみな黒板に向かい先生から同じ内容の講義を受けていました。でも、それでは理解が遅い生徒と飲み込みが早い生徒にレベルの差が生まれるとカーン氏は指摘しています。それは理解が遅いからと言って理解ができないわけではない。また、理解が早い、飲み込みが早いからと言って必ずしも身についてるわけではないからだとしています。

また、従来の講義形式の場合、先生が生徒一人ひとりと話す時間も短く、生徒に課される宿題の多さにも疑問を抱いていました。

そういった疑問や指摘の中で、カーン氏が生み出したサービスが動画教育でした。動画であれば、誰でも、どこでも学ぶことができる。理解が遅いなら理解できるまで見れば良い。理解が早く身についているのであれば、どんどん先に進むことができると。

今の教育制度のままでは、理解が遅いだけでじっくりと考え、学ぶ機会があれば伸びる子は取り残され、まともな職業に就くことも叶わない。本当にそれで良いのか?そんな制度への疑問、そして、これからの教育のあり方についてのカーン氏の考えがここにつまっています。

この本を通して考えたこと

「あ、日本の教育がだけがおかしいわけじゃないんだ!」というのが第一印象でした。

僕は、日本の一方通行の教育がもの凄く嫌いでした。それは余談を許さない感じも、平均から下回る、逸脱する児童・生徒をのけ者にする感じもです。

教育に限らず、どんなことであろうと本来人によって習得速度は違います。それにもかかわらず、現代の教育はみんなを均一化すること、同じことを同じように、同じ速度で教えることになっています。これってやっぱりおかしいんですよね。

「みんな違ってみんないい」なんて言っておきながらも、みんなと違うと「ちゃんとしなさ」「落ち着きがない」「勉強してない」と怒る始末。

僕は落ちこぼれも、優等生も経験したことがあるのでわかるんですが、落ちこぼれの扱われ方は最悪です。親や友だちはそうでもないんですが、先生からの目が怖いんですよね。「もっと勉強しろよ」的な目。

でも、そんな目をされてもついていけない勉強にはついていけないし、わかったころにはその範囲はテストに出ず、新しいことがテストに出てるから点数を採ることもできず…。と、良いのか悪いのかわからないですが、表面的に数字に表れないために辛い思いをしたことは何度もあります。

人によって習熟度は違う。この視点に立ち、一人ひとりにあった学習をさせれば、テストなんてよくわからない評価制度はなくなります。一時的なテストで測れるのは、その時点では知識と経験値です。つまり飲み込みの早く、経験を積んでいる方が得をするわけです。

もちろんだからといって、すぐに教育制度を変えろ!なんてヤボなことは言いませんし、考えもしません。でも、一人ひとり理解度や飲み込みの早さが違うことを教師が認知しておくことって大事だと思うんですよね。それだけでも、生徒への見方は変わりますし、活かし方も変わります。まずはそれでいいんじゃないかな?って思います。

日本は、人口減少や高齢化によって経済力がグッと落ちていく時期にあります。だからこそ、宝物である子どもたちへの向き合い方や教育の仕方はもっと考えて行くべきなんじゃないでしょうか?

こんな人に読んでもらいたい

ということで、こんな人に読んで欲しいです!

教育関係の仕事をしている人
これから教育の分野に足を踏み入れようと考えている人
日本の教育に疑問を抱く人
大学生・高校生全般

という感じ。

ぜひとも読んでください!これを機に日本の教育のあり方を問い直しましょう!

あとがき

珍しく教育関連の本を読みました。なんで手に取ったのか、なんで読もうと思ったのかは定かではありませんが、なんか今読まないとヤバいなって思ったんですよね。なぜでしょうかね(笑)

でも、読み終わって思うのは、いまだからこそ理解できるし、今だからこそ読む価値があったんだということです。少し前なら理解できなかったし、反論ばかり考えていたと思います。また、もう少し後だとこれはこれで後悔の連続だった気がします。

本との出会いに限らず、出会いには出会うべくして出会うものがありますよね。その時期、その状況でしか理解できない本。そんな本と出会ったときには、何かそこから学び、活かさないといけないんだろうなと思うばかりです。