【感想/合唱】実写版映画『くちびるに歌を』(主演新垣結衣)から学ぶ誰かを幸せにするための音楽とは何か?

以前、原作を読んだことがありました。

そのときは、なんとなくいい作品だなーという感じしかもちませんでした。というよりも、僕の想像力が欠如していたのかもしれません。

その欠如した想像力を映像というカタチで補われたときに、想像以上の感動がそこにありました。泣ける場面もあり、笑える場面もあり、微笑む場面もありと、めちゃくちゃいい作品でした。

簡単なあらすじ

柏木ユリ(新垣結衣)は、地元である長崎県の五島列島に代理の音楽教師として赴任してきた。彼女は、音楽教師の代理であるとともに、合唱部の顧問も引き受けることになっていた。

ユリが合唱部の顧問になるということで、ユリを求めて入部する男子と、それを嫌がる女子部員。最初はまったく噛み合ないユリと部員たち。そして男子と女子。彼らが噛み合ないことには理由があった。それは、それぞれが悩み苦しんでいること、そして音楽にその救いを求めているということ。

しかし、ある一人の男子学生の手紙をユリを変え、ユリが部員たちを変えていく。

ユリは、そして合唱部員たちは、なぜ音楽をするのか?そして、誰のために音楽をしているのか?待ちわびた合唱コンクール当日、ユリと合唱部員たちは、無事歌いきることができるのか?

生きる意味とは何か?(ネタバレ)

この映画では、ある男子学生が「自分の生きる意味」について綴っているシーンがあります。

自分が生まれる予定はなかった。でも、今生きているのは、自閉症の兄を助ける存在として、両親が弟か妹を必要としたからだと。だから、自分は15年後も兄に寄り添い生きているだろう。それが自分にとっての生きる意味だからと。

生きていると、なんで自分は生きているのだろう?自分の生きる意味ってなんだろう?と悩むことがあります。みんながみんな、この男子学生のようにシンプルには生きられないですよね。でも、この学生から得られることはかなり大きいと思っています。

というのも、人の生きる意味なんてものは、どうせ大したことはないからです。もちろん、しょうもないわけではありません。でも、思っている以上にシンプルだし、小さなことだし、身近なこと何じゃないかって思うんですよね。

それは社会に影響を与えることでもなく、大勢の命を救うことでもなく、多くの人を感動させることでもないんですよね。

むしろ、誰か一人のために生きているということの方が大きいんじゃないかって思うわけです。子どものため、彼女のため、旦那のため、親のため、同僚のため、社長のため、命の恩人のためなど、人によってさまざまでしょう。

もし、今生きる意味ってなんだろう?と考えてしまっているのなら、一度周りを見渡してみて欲しい。きっと、身近に自分が生きていることで幸せにできている人はいるはずです。

全体の感想

ただの合唱部の話で、サクセスストーリーなんだと思っていました。ある田舎町に、有名なピアニストが来て、上手くなって地区予選は突破するんだけど、問題が発生してそれ以降はいけません的などこかでみたことのある話だと思っていました。

ですが、サクセスストーリーというよりも、人の悩みとその救いを上手く表現した作品だったと思います。誰しもいろいろな悩みがあって、その悩みをどう乗り越えるのか?も人それぞれ違いますよね?漫画という人もいれば、恋愛の人もいて、この作品はそれが音楽だったという感じです。

そして、この作品は、自分の悩みだけを解決するということでもなく、音楽が前を向かせてくれる、音楽が背中を押してくれるというよりも、音楽を通して誰かを笑顔にしたい、幸せにしたい、励ましたいという気持ちを、勇気をユリや合唱部に与える作品なんですよね。

要するに、誰かという第三者を助けることが、自分を助けることに繋がっていることを上手く描いているんですよね。その誰かを助ける手段が音楽、合唱なんです。

ユリの変化もそうですが、合唱部員がぶつかり合いながらも、成長していく姿は、見ていても清々しいですし、最後の晴れ舞台で魅せるその姿には感動しました。

あとがき

本で読んだときには感じられなかった感動が、映画では感じられるというのは不思議な感覚ですよね。でも、今改めて思うのは、想像力云々ではなくて、俳優さんたちの演技力が僕の想像を超えたからかもしれないということです。

僕の想像していた表情ではないものが、映画の中にはあって、それが自分の想像を超えたからこそ良い映画だと思えたわけですし。感動できたのかな?って思いました。

正直実写化はあまり好きではないですが、ごくたまに自分の想像を超える作品にであると嬉しいものですね。