【感想/生き方】『神様に一番近い動物 ~人生を変える7つの物語~ 』から学んだこと、それは…

『夢をかなえるゾウ』『人生はニャンとかなる! 』『LOVE理論』の著者水野敬也による新刊『神様に一番近い動物 ~人生を変える7つの物語~ 』を読みました!

どの本もそうですが、この人の著書は読みやすさと、わかりやすさがいいですよね。読みやすくて、わかりやすいけど、ちゃんと世界観があって、社会をいい具合に批判してて、「もっとこうなればいいのに!」っていう想いが伝わってくるのがいいですよね。

最初はちょっと分厚くて時間かかるかなーって思っていたんですけど、読みはじめたら止まらなくなって、数時間で読めちゃいました。

内容がかなり良かったので、いつもの通り備忘録も兼ねて、感想を書こうと思います。

本の内容

内容紹介
7つの面白さが味わえる新感覚エンターテインメント!
どの物語にも、あなたの人生観を大きく揺さぶる一文がきっと見つかると思います。

三匹の子ぶたの元に現れたオオカミは、童話「三匹の子ぶた」を携えていた――三匹の子ぶたなう
軽い気持ちで女の子にあげた1万円札が、怒りの形相で戻ってきて――お金持ちのすすめ
地球を守るため、人間と動物が協力して宇宙のオリンピックに挑む――宇宙五輪
売れないミュージシャンが流れ星に願い事をすると、その星が部屋にやってきて――役立たずのスター
クヌギの木のヌシのカブトムシが何者かの手によって殺害された。この事件解決を任されたのは伝説の刑事だった――スパイダー刑事
シャッター商店街で大繁盛する「蕎麦愛沢」。しかし、この店長にはある秘密があった――愛沢
牧場で平和な生活を送っていた子牛の耳元でネズミがささやいた。「お前はこれから革ジャンになるんだよ」――神様に一番近い動物

(引用元 Amazon『神様に一番近い動物 ~人生を変える7つの物語~』

どの話もさくっと読めるのがよくて、でもそれでいて中身は濃いっていうのがオススメなところです。取っ付きやすい話の作り方っていうのは、結構難しいと思うんですが、それでも面白おかしく読ませる術はさすがと言った感じですね

7つの物語から学んだこと

あらすじは僕が簡単にまとめています。めちゃくちゃヘタクソで申し訳ないんですが、もし気になれば、一度本編を読んでみてください。

※若干ネタバレもしているのであしからず。

三匹の子ぶたなう

おとぎ話で有名な『三匹の子豚』をもじった作品でした。三匹の子豚の末裔の話になっていて、この話の中でワラの家に住んでいた豚の末裔は、今でもワラの家に住んで食べられた先祖のことをバカにされ続けていたんです。そんな自分が嫌で、自分の先祖のこと見返したくて、ワラの家でもオオカミを倒せるんだぞ!ってことを証明するという感じの話です。

逆境というのは、誰にでも訪れます。「ピンチはチャンス」と言いますが、本当にピンチをチャンスに変えている人は稀ですよね。自分の立場や状況を考慮して、如何にそのピンチを乗り切るか、チャンスに変えられるかって意外と難しいですよね。

この話に出てくる豚も同じです。ワラの家という、過去にオオカミに吹き飛ばされた家で如何にオオカミに立ち向かうのか?という点はまさに逆境。でも、それを逆境に感じさせない上手さがありました。

逆境の乗り切り方は人それぞれです。決して諦めなければ、そして思考停止しなければ、きっとピンチはチャンスになるんだよってことを言われているような気がしました。

お金持ちのすすめ

出来心から安易に一万円を女性に渡してしまった主人公。そんな主人公の元に、帰ってきた一万円札。一万円札に描かれた福沢諭吉が教える『お金』のお話。なぜ主人公はお金持ちになれないのか?どうすればお金持ちになれるのか?ということを福沢諭吉がわかりやすく教えてくれます。

お金とは何か?そして、そのお金をもらう仕事とはどういうものであるべきなのか?ということについて、福沢諭吉の著書『学問のすすめ』の有名な一説を使って、わかりやすく教えられました。

お金を稼ぐことには必死になるのに、お金をどう使うのか?ということになるととたんに頭を使わなくなると個人的には思っていて、お金持ちの人ってそこをちゃんと考えてんだなぁってことが知れたのはよかったです。

宇宙五輪

宇宙全体で開催されるオリンピック『宇宙五輪』。そこで負けることは、すなわちその星が滅ぶことを意味すると言う何とも過酷なオリンピック。地球は、前回大会で地球で行なわれるオリンピックの優勝者たちを派遣したが、惨敗だった。運悪く金星が負けたため、最悪の事態にはならなかったが、次は地球が滅ぶ番…。そこで地球人が思い立ったのが、動物を使うことだった。これまで好き放題動物をもてあそび、滅ぼしてきた人類に、動物たちは耳を傾け、手を貸してくれるのか?そして、地球は助かるのだろうか…?という感じの話。

なんとも皮肉な話ですよね…。人間は自分たちが地球上では一番だと思っていて、動物を飼う、食べる、鑑賞する、邪魔、餌などの対象としか観てないなかったのに、自分たちが窮地に追いやられると助けを乞わなければならなくなるんです。

人間はたしかに優れた生き物です。身を守る術を身につけ、文化を残す術も身につけ、伝統を作る術もある。ですが、それでもどの分野でも一番ではないんですよ。足はチーターのは早いですし、力は像のが強いです。そのため、自分たの力では手が及ばなくなると、動物に助けを求めないといけないんですよね。なんとも皮肉です。

今、人は動物や植物などの自然と共存できているのでしょうか?自然を壊し、自分たちの都合の良いように作り替え、その自然に住んでいた動物たちが人間の住む街に出てこれば、捕獲なり、射殺なりしていますよね。これは共存ではなく、淘汰です。

絶滅危惧種という表現もおかしな表現ですよね。絶滅の危機に陥れているのは人間であって、勝手に絶滅しようとしているわけではないんです。人間は自分たちの都合の良いように、動物や自然を扱っていますよね。本当にこれで良いんでしょうか?

そういうことを考えさせられた良い話でした。

役立たずのスター

流れ星を見つけたら、叶えたい願いを流れ星にお願いしますか?悩みを抱える主人公は、目の前に現れたスター(流れ星)に自分の願いを叶えて欲しいと懇願します。でも、そのスターは「星に頼んだくらいで願いごとが叶ってしまったら、それはどんなにつまらないことだろう」と言うんです。『闇が深ければ深いほど、光も強く輝く』という言葉の真意を教えてくれる話でした。

神社での神頼み、流れ星へのお願い、おまじないなど、努力をする前に、誰かや何かに頼っている人は、どこにでもいますよね。もちろん、僕もその一人だと思います。ですが、それでその願いが叶っても嬉しくないですよね?というか、スターが言うようにつまらないですよね。

たしかに願うようなことは、願うだけの価値はあって、それなりに苦痛や困難が待ち受けていて、生まれ持った才能が有無を言う時があります。でも、それはそれ。苦痛や困難があるからといって、その人がダメな人間であるわけではありません。苦痛や困難があるからこそ、輝けるものがその人にはあるんですよね。

神頼みや、星に願うことは簡単です。でも、その前に努力してますか?ってことを教えてもらった気がします。

スパイダー刑事

虫の世界でカブトムシが殺される事件が起きます。その事件を解決するために駆けつけたのが、警察のカタツムリ、コオロギ、クモでした。その犯人は、カブトムシに樹液を独占され、自分の子どもが樹液を飲めないことを悔やんでいたんです。だから、カブトムシを殺した。そして犯人は連行されるのですが…。その前に現れた昆虫たちが犯人が本当にするべきだったころを教えてくれました。

目の前のことで必死になってしまうことってありますよね。そのため、周りが見えていなかったというのか、自分たちのことを本当に必要としてくれている人のことに気が付かないことがあります。

僕たちは、自分のやりたいことややってみたいこと、してあげたいことをやるべきなのか?それとも、自分が他人からもとめられていることを、他人ではできない自分にしかできないことをするべきなのか?ということを問われているような話でした。

誰かに必要とされることがどれほど嬉しいことで、どれほど意味のあることかということを教えてもらいました。

愛沢

主人公が営むそば屋の近くに新しくオープンしたそば屋「蕎麦 愛沢」。愛沢のおかげで、どんどん人足が遠のき、売上げが落ちることに危機感を感じた主人公は、試行錯誤してなんとか売上げを伸ばそうとします。最後には愛沢に弟子入りまでして、材料の調達先まで教えてもらいます。ですが、教えてもらった調達先からの仕入額では儲けは出ず、最後の手段として愛沢の亭主を殺そうとして…。自分が間違ったことをしていたことに気が付きます…。

何をするときもそうかもしれませんが、人のマネをしてたどり着けるのはその人のちょっとしたのレベルまでです。スポーツにしても、料理にしても、ビジネスにしても何でもそうですよね。だからこそ、そのマネの先にあることをしなければならないんです。それが独自性。

相手がこうくるなら、自分はこんなことができるというのが独自性です。差別化というのかもしれませんが、相手が苦手でも、自分が得意なことは誰にでもあるはずです。それを見つけることが、自分らしさであり、自分の強みなんですよね。

誰かよりも上に立つことだけが、人生ではありません。如何に自分の強みを活かせるのか?ということも人生には大切なんですよね。

神様に一番近い動物

服の素材として使われることになった子牛。その子牛の元に現れたのが、一匹のネズミでした。世間のことについて何も知らない子牛は、ネズミの話を聞いて世間を見るために人間の住む場所へと赴きます。そこで見たこと、感じたことを受け入れた子牛が最後に取った行動、覚悟とは…?

僕たちが何気なく使っているものや食べているのは、多くの場合動物が関わっていますよね。それに対して感謝していますか?大事にしていますか?ってことを問う良い話でした。僕たちの生活は動物や植物の命の上に成り立っているということをついつい忘れがちですが、それに感謝しないといけないんですよね。

人間は、人間だけで生きていくことはできません。動物がいて、植物がいて、それを加工する人がいて、それを売る人がいて、初めて僕たちの生活は成り立つんですよね。そのことを肝に銘じて生きていかないとなーということを改めて教えられました。

全体の感想

こうやって伝えたいこと、メッセージを物語にするのって凄いなーって思いましたね。それも、難解でもなく、読みにくくもなく、簡単で、読みやすいっていうのは本当に凄いことだと思います。

伝えたいことをただ伝える、読者に認識させるだけではなくて、ちゃんと読者に考えさせているという点が良かったと思いますね。それも、真摯に向き合わないといけない問題について、考えさせられたのは良かったと思います。

普段なら目を背けていたかもしれない問題について、真摯に向き合って、正面切って考えられたのは良い機会になりました。お金のこと、生き方、自然との共存など考えさせられることがここまで詰まった本はそんなにないでしょうね。良い本でした。

こんな人に読んで欲しい

いろんな人に読んで欲しいですよねー。

特にってことであれば、中高生、大学生とかこれから将来を担っていく人ですね。人と自然の共存もそうですが、悩みとの向き合い方とか、お金との向かい方もそうですね。これから何かをはじめる、学んでいく人にとっては良い意味で指針になってくれる本だと思います。

あとがき

思った以上に良い本でした。最初は適当に手に取って、何か学べたらいいかなー程度だったんですが、予想以上に考えさせられました。というか、頷きながら読んだもの久々って感じで、良かったですね。