論語を読みたかった。
でも、原文から入るにしても、ちょっとハードルが高くて、読み切る自信もなく、また、解釈系の本もどれがいいのかよくわからず、手に取ることができなかった。
そういった意識が低い理由により、今回はハードルが低いけど、なんとなく「論語って面白い」って思えるような初心者向けの本を手に取ることにしました。
タイトルも『自分に負けない心をつくる 超訳論語202』とそれっぽいし、202ページ読めば終るから読める気がしました。
論語なのか?孫子なのか?未だによくわかっていないですが、この本は論語を読んだことがない僕にとっては非常にわかりやすく、読みやすい本でした。

本の内容をさらっと説明
そもそも論語というのは、孔子と彼の高弟たちの言葉や行ないについて、弟子たちが記録したものです。論語の原文自体は、512もの短文を全20篇で構成されていますが、本書ではその中で出てくる言葉を202個ピックアップし、その短文の解釈が書かれています。
軸になっているのは、タイトルにもなっていますが「自分に負けない心をつくる」ということです。
各章タイトルは以下のようになっています。(本書から引用)
心が定まる志を立てる
心の目を養う勉強とは
心を磨く学問をする
目先の利益に惑わない心をつくる
困難に立ち向かう心をつくる
心を込めて仕事をする
人の心がわかる人になる
人に学ぶ心を持つ
心を込めて人と接する
徳のある心をつくる
という感じです。
良かった言葉をピックアップ
本書の中でも、僕の心に刺さった、響いた、なんか良かった言葉をピックアップしたいと思います。
026.
知るということ
知っていることを知っているし、
知らないことを知らないとする。
これが知るということだ。(引用「自分に負けない心をつくる 超訳論語202」50頁)
当然と言えば当然ですが、僕たちはえてして、知っていないことを知っているとごまかしますし、知っていることでも何をどこまで知っているのかを完全には理解できていません。これは本当の意味では、「知っている」とは言えないんですよね。
自分が何をどの程度知っているのか?を知っていて、逆に何を知らないのか?ということを知ることから、学びははじまりますし、誰かに教えを乞うことができるんですよね。
059.
まずは人を評価する
他人が自分のことを
正しく評価してくれないことを嘆く前に、
他人を正しく評価せよ。(引用「自分に負けない心をつくる 超訳論語202」85頁)
これは就活してる時の自分にかけてあげたい言葉の一つです。就職活動に限らず、人は自分が評価されていないと「なんで私のことは、評価してくれないの!?」って怒りますよね?でも、僕も含めその人のことを見ていると、自分から誰かを“正しく”評価していないんですよね。
正しく評価するってことがどういうことかはまだまだわかりませんが、現代階でわかるのは、相手の行動や言動を受け入れ、良いところ褒め、悪いところを修正してあげることだと思います。
なので、「なんで僕だけ(私だけ)、評価してくれないの?わかってもらえないの?」って嘆く前に、ちゃんと自分から相手を評価しているかを確認しないといけないですね…。(悔い改め…)
072.
人生観
粗末な食事をし、水を飲み、
腕を曲げて枕代わりとするような貧しい生活であっても、
正しい道を歩み、学びつづけていれば、
その中から自然と楽しみが出てくるものだ。
悪いことをして人に迷惑をかけ、
お金持ちになったり高い地位に就いたとしても、
私から見ると流れる浮雲のように、はかない。(引用「自分に負けない心をつくる 超訳論語202」98頁)
これは将来、どんだけお金もっても、地位高くなっても謙虚に生きろよ!って言われているみたいで、背筋がピン!ってなりました。人間、お金を持ったり、地位が高くなると、犯罪はしなくても、驕ったり、人をバカにしたり、自分を正当化して人を批判することがありますよね。そうなってしまうと、いくらお金があって、地位があっても、いつまでそれが続くかわかりません。
そうならないように、日々、愚直に、真摯に生きていかないとなと感じさせられました。
129.
まずは自分の力をつける
自分に地位がないことを心配するのでなく、
地位につく実力をつけることを心配せよ。
自分を認めてくれる人がいないことを心配するのでなく、
認められるだけのことをしようと心がけなくてはならない。(引用「自分に負けない心をつくる 超訳論語202」159頁)
僕も地位ばかりに目が行っていました。とにかく上に行きたい、とにかく給料を上げて欲しい、とにかく自分にしかできない仕事がしたいと。
でも、そんな実力もなかったんですよね。
実力もないのに、認めてもらえるはずもなく、認めてもらえるだけの努力もしておらずでは、意味がありません。地位を求めるのではなくて、まずはその地位につけるだけの、その地位に立っても笑われないだけの実力をつけないといけないんですよね。
195.
最後までわからない
苗にまでなったが、穂を出さない者がいる。
穂を出したまでにはなったが、実らない者もいる。
人は最後までわからない。(引用「自分に負けない心をつくる 超訳論語202」231頁)
最後は、なんとなく背中を押されました。
僕の持論の中に、「努力が報われるとは限らないが、報われた者はえてして努力している」というものがありますが、まさにこれと同じ感じですよね。
あと一歩、あと一日、あと一年踏ん張っていれば、成功したかもしれない、実を結んだかもしれないのに、その一歩手前で歩みを止めてしまい、成功することがなかった…。なんてことはよくある話です。
もし、今やっていることで成功したい、何か成し遂げたいのであれば、それが叶うまでやり続けるしかないのかもしれません。
感想
僕がピックアップした言葉を見ていただければ、わかるかと思いますが、非常に読みやすい内容でした。その上、これから生きていく中で、何が必要なのか?どう生きていけば良いのか?どうあるべきなのか?何をしてはいけないのか?ということをしっかりと教えられました。
生きていれば、どこかで道に迷ったり、立ち止まったり、岐路に立たされたりと、考えさせられ、悩まされることがたくさんあります。
ですが、そんなときに、論語をはじめ、歴史上の偉人たちの言葉や行動は非常に役に立ちます。僕たちは、思っている以上に歴史から学べていないですよね。学べているなら、同じことを繰り返しません。僕たちは、何かをする前に、ちゃんと歴史から学ばないといけないのかもしれませんね。
長く受け継がれ、多くの人に学びを与えるだけのことはあるなと思い知らされる素晴らしい作品でした。
こんな人に読んで欲しい
- 中学生、高校生、大学生
- 人生に迷っている人
- 論語の原文のハードルが高い人
- 論語に触れてみたい人
- 論語って何?って人
- 人生の指針となる考え方が欲しい人
- 背中を押して欲しい人
などなど、多くの人に読んで欲しいです!
特に、これから日本を背負ってたつような若い世代こそ、論語なり、孫子なり、哲学的な本をどんどん読むべきだと思います。(孫子は、戦略系かな…?)
あとがき
「自分に負けない心をつくる 超訳論語202」は、気軽に論語に触れられる良い本でした。難しくてハードルが高かった論語も、こうやって超訳として読むと、「原文ってどうなんだろう?」って気になってしまいます。
次は、まず解釈系の論語に手を出してみて、最後にちゃんと原文を読んでみようと思います。